Photo: Rothes
Caperdonich_Distillery: Glen_Grant_Distillery: Glenrothes_Distillery: Glen_Spey_Distillery
紅茶の国、Great Britain
休日の朝、イギリスではEarly Morning Teaから始まる。せっかくだからイギリス文化に浸ろう。シェービングの間に湯を沸かし、部屋のTea Setで紅茶を入れる。しばし優雅な気分を楽しむ(自分で作るところが全然優雅ではないが・・・)。
宿泊しているB&Bは前日に朝食を選ぶことができる。まずはフルーツコンポート。そしてキッパーズに挑戦。ニシンの薫製ということでどんな味なのか非常に興味がある。運ばれてきた皿の上には2匹ものっている。これは朝からヘビーだ。味は多少塩味がある。薫製といっても、にしんそばのにしんよりも柔らかい。考えてみたら和食の朝食メニューにアジのひらきや塩ジャケがあるのといっしょか。
紅茶もポットでたっぷり楽しめる。ミルクティーがおいしいのはやはりMilkの差か。
当初の計画ではDufftownに向かうつもりだった。しかし内部見学を予定しているGlenfiddichは十月中旬より土、日は見学を受け入れてないことがわかった。Dufftownでは2泊するつもりだから、今日向かうとちょっと具合が悪い。加えてDufftownへの交通機関は、今日はタクシーしかないとのこと。タクシーならばDufftownに向かわなければならないこともない、Rothesに行くとしよう。GlenGrantは土曜日も見学できるはず。幸いにも宿泊の予約はしていない。
タクシーを待っている間、宿のマダムといろいろと話をする。非常にゆっくりと単語を選んで話してくれるのでなんとか聞き取れる。彼女は20年程前、日本に行ったことがあるそうだ。日本語はとても難しいという。確かに日本語は難しいと思う。漢字全部なんて書かれへんし。そう思うと英語も使う単語は全部じゃないだろうけど・・・。
めちゃくちゃな英語で、私の今回の旅の目的を話したが何とか理解してもらえたようだ。少しは安心した。単語を並べると何とかなる。後はボディランゲージっちゅうやつやね。
Whisky town, Rothes
11時に宿を出発。Rothesに向かう。Keithの町を出るとScotlandらしい放牧地帯が続く。途中GlentauchersとAuchroiskを通った。Glentauchersは2つのパコダが非常に美しく、タクシーを止めてもらって写真を撮るべきだったと後悔している。Auchroiskは近代的な工場のような外見だった。30分ぐらいでRothesのGlen Grantに到着。
Glen Grantでは、見学を申し込む。内部の写真撮影は出来ないとのこと。ガイドのPeterさんは英語ができない私に非常にわかりやすく説明してくれた。
Glen Grantは非常にコンピュータ化が進んでいる。ウォッシュバックの側やスティルハウスにも、管理端末が見られた。6人ぐらいで操業しているとのことだった。その6人は6週間でGlen Grantでの作業を終えると次はGlenlivetでウィスキーを造るという。きっと世界で一番ウィスキーを造っている人達だろう。
その反面、独特の形をしたポットスティルやウェアハウスなど古さも残る蒸留所だ。
蒸留所の内部を見学した後、有名なGlen Grant Gardenを歩く。Peat Colourの水が流れるBlack Burnに沿って歩いていくと有名な「秘密の金庫」があった。
最後にShopでGlen Grant 10years oldを購入。日本ではあまり見かけないが入っているのだろうか。試飲させてもらったが非常に飲みやすい。5years oldより絶対に日本人が好きな味だ。
今回の旅は3〜6日目までは宿を予約していない。こういう旅は私にとって初めてのこと。Rothesの宿も予約していないので蒸留所で聞くとBen Aigen Hotelがいいという。
Glen Grantから歩いてすぐにそのホテルはあった、というよりもRothes自体がそんなに大きい町ではない。玄関を入るとフロントが見当たらない。ちょっと戸惑っていると奥から宿のマダムが現れた。
"Do you have any vacancies?"
"Single? With bath?"
おっ、通じた、通じた。私のいんぐりっしゅもまんざらではない(おいおい・・・)。案内された部屋は広くはないが、専用のシャワールームもあり、窓からはBen Aiganの山並が見える。圧迫感がないのは天井が高いからか?。1泊25ポンドは妥当なところか。
さて、宿も決まったことだし、そのほかの蒸留所をまわろう。RothesはメインストリートであるHigh Streetにお店が集中している。といっても宿とスーパー、パブぐらいしかない。その通りを南へ少し歩くと川があった。Peat Colourの水が流れるBurn of Rothesに沿って上っていくとパコダが見えてきた。Glenrothesだ。川と道を挟んで両側に建物が並んでいる。予約をすれば見学は可能みたいだが土曜日ということもあって静かだった。Cutty Sark の絵の書かれたvisitor Centreのサインも掲げられていた。
Burn of Rothesより、もう少しHigh Streetを南に下った所にGlen Speyはある。歩きながら右側を見ていると看板が目に入る。看板がなければ蒸留所とわからないかもしれない。蒸留所にはパコダはないがウェアハウスが古さを感じさせる。
地図を見ているとGlen Speyのすぐそばに"castle"マークがあった。これは何だろうか。Golf Courseと書かれた看板のある、GlenSpeyの門の脇の道を上っていった。そこにはRothes Castleの城跡があった。小高い丘に建てられた山城だったのだろうか。現在は城壁の一部分しか残っていない。ここからBen AignやRiver Speyを望むことができる。天気の良い日にはBen Rinnesまで見えるらしい。
CaperdonichはGlen GrantのHigh Streetを挟んだ向かい側にある。横を通っても蒸留所という感じがしない。唯一気づかせるとしたら、麦を醸す匂いと、モルトキルンのような建物だろうか。
午後の紅茶にしますか?、それとも・・・
蒸留所巡りも一段落、日も暮れてきたのでホテルのパブで休憩。この時間帯は紅茶よりもBitterがいい。土曜日ということもあって結構、お客さんは入っていた。でっかい犬も2匹。みんな常連らしくBitterなどを飲みながら話をしていた。もうちょっと英語がしゃべれたらよかったなぁと改めて感じる。帰国したら真剣に英会話を勉強してみるかな。
夕食もホテルで食べる。というよりも食事できるところがここともう1つのホテルぐらいしかない。Ben Aigen Hotelはパブのほかラウンジとダイニングルームがある。ここは元々Innだったのだろうか。家族で経営しているらしく、夕食時などはパブ、レストラン掛け持ちでいそがしそうだ。
メニューよりスープとサーモンの蒸し物ワインソース添えをオーダーする。
しばらくすると今日のスープが運ばれてきた。これはスコッチブロスではなかろうか。具の多いスープだ。丸型のパンもついてくる。スープもパンも非常においしい。
そしてサーモンが運ばれてきた。かなり大きい。加えて別皿で茹でた野菜(にんじん、カリフラワー、さやえんどう?)とポテト(茹でたじゃがいも)とチップス(揚げたジャガイモ)が出てきた。昨日ほど驚かなかったが、とても多い。サーモンは全く味がついていない。ワインソースにも塩味がない。こちらの調理法は素材の味をそのままにするのだろう。だからテーブルには必ず塩とこしょうがある。サーモン自体はとても味が良い。ジャガイモや野菜も日本よりもそのものの味が濃いように思う。イギリスは食べ物がまずいというが、Scotlandには当てはまらないと私は感じた。
食後はパブでモルトを飲む。ここはやはりRothesのSpeyburnをチョイス。1.65ポンド(約320円)という驚くような価格だ。モルトを味わいながら、明日以降の予定を立て直す。
Speyburn蒸留所が思ったより近くにあったので、明日の朝に行ってみよう。その後Dufftownに移動し、Glenfiddichは29日に見学するとしよう。