何とかなるもんだ
あまり天気はよくない。ニュースを見ていると昼頃から雨が降ってくるようだ。まぁ、こちらの雨は日本とは違って何とかなるだろう。
朝食後、破損した三脚の応急措置をするためにPost Officeへ。こちらの郵便局は荷造り用品や文房具を売っているので便利だ。とりあえず、ガムテープでも巻けばねじを締めることはできるだろう。Aberfeldyで使うかどうかわからんけど準備だけは整えておこう。元々UDが所有していたのだから期待薄だけど。
10:25のバスへ乗り換えのBallinluigへ。Aberfeldyまでのチケットはこのバスで買うことが出来た。リターンチケットが安くてお得だ。
20分程で到着。ここでPerth-Aberfeldy間のバスに乗り換える。PitlochryからのバスとPerth、Aberfeldy方面行きのバス3台が連絡している。Aberfeldy方面のバスに乗り換える乗客は4人だ。
15分程で蒸留所が見えてきた。年配の女性2人がここで降りるというので私もいっしょに降りた。どこへ行くのかと思ったら蒸留所に行くとのこと。ちょっとびっくりした。
Aberfeldy蒸留所は緑に囲まれた非常に美しい場所にある。この天気が残念だ。これも日頃の行いか・・・
Receptionへ行って受付を済ます。Aberfeldy蒸留所はまず、展示を見ながら専用のハンディ端末で説明を受ける。驚いたことに日本語も用意されていた。
当時の執務室やテイスティングルームが再現されている。使用していたサンプル瓶の棚には今となっては見ることの出来ない名前も残っていた。
一通り展示を回ると試飲コーナーに出てくる。ここでAberfeldyのSingle MaltやDewar'sの試飲ができる。久しぶりにDewar's 12年を飲んでみる。テイスティング用のテーブルが用意されていて比較用の香りサンプルと記入できるテイスティングノートが置いてあった。久々にテイスティングノートを書いてみるか。サンプルとウィスキーの香りを比較してみるがやはりありがちな言葉しか出てこない。そしてウィスキーを飲みだすと、そんなことは面倒になり、止めた。蒸留所で飲むウィスキーには言葉なんかいらない。うまいものはうまい。
そしてしばらくして蒸留所ツアーが始まった。外に出ると小雨が降っていた。もうこの天気の変化には慣れてきた。蒸留所内はストロボを使わなければ写真撮影可能とのこと。ちょっと予想外だ。応急処置した三脚がさっそく役に立った。
その後、小雨の中写真撮影を続行。そんなに強い雨ではないので何とか撮れるだろう。
そしてショップで買い物。さてと何にしようか。UD時代の花と動物シリーズのCask Strengthが最後の18本限定となっている。これにしようか。80ポンドは高いけどまぁいいか。
川との関係の深さ
13:55のバスに乗れればいいなと思っていたけどとても間に合わず、Aberfeldyの町へ向かった。1km程なので大した距離ではないがぱらつく雨がちょっといやかな。まぁ、これもScotlandだ。Rver Tay沿いのAberfeldyまでの道程は美しい風景を眺めながらのんびりと歩く。
Aberfeldyは小さい町だ。River Tayを渡る唯一の橋があり、交通の要所として、また昔は水力を利用した綿産業で栄えた。伝統的な町には必ずよさげなPubが数件ある。まずは一杯。
窓際の席に座り、外を眺めながらAleを飲む。月曜日なので人通りもまばらだ。まぁ、休日でも多いとは思えない小さな町だけど。2杯目のAleが空いた頃、雨も上がってきたようなので町の写真を撮る。
Aberfeldyには古い製粉工場の建物を利用したショップがある。これが蒸留所のキルンみたいでおもしろい。ちょっといびつだけど。蒸留所のシンボル的なモルトキルンの形はいくつかの蒸留所が製粉工場から改装されたときにそのまま利用されたのだと思う。
バスまで時間があったのでもう1件Pubに入り、今まで見たことないポンプのをオーダー。あら、いつもとグラスが違うと思ったら、ヒューガルデンだった。日本でも飲めるっちゅうねん。
16:40のバスでPitlochryへ向かった。今日はBlair Atholも行こうかと思っていたけど明日の午前中にしよう。途中、Ballechin蒸留所があったところには古い建物が残っていた。結局のところ農家のサイドビジネスとして始まった小規模な蒸留所はほとんど第二次大戦前になくなっている。
Old Days
今日の夕食は夏目漱石が滞在していた屋敷を利用しているDundarach Hotelで食べる。最初は泊まろうかとも思ってたけどちょっと予算オーバーで食事だけ。
非常に眺めのいいRestaurantはすべてのテーブルから美しい風景が見える。ここは1〜2品チョイスで20ポンド、3〜4品チョイスで26ポンドのコースとなっている。2品ぐらいで十分だけど。
メニューを眺めていると、Starterの中に気になる一品、"Tempura Prawn"を見つけた。まさかエビの天ぷら?
"Tempura"とはどういう意味かとスタッフに尋ねると知らないとのこと。しかし料理は油で揚げたエビだという。こちらでは日本で言うところのエビフライはDeep Fried Scanpiになる。となると小エビの天ぷら?これは食べてみなければ。そのほかにスティルトンとセロリのスープ、ローストラムのミントソース添えをオーダーした。
まずは本日のスープ。スティルトンは私の好きなブルーチーズだけど(英国と名のつくものはほとんど好き)、セロリの独特の味とマッチしてとてもおいしかった。
そして楽しみな"Tempura Prawn"運ばれてきた。天ぷらではなく串カツだった。串カツと言ってもパン粉をつけないタイプ。果物の酸味の効いたソースで食べるエビの串カツはとてもおいしかった。オードブルとしての量もちょうどいい。
しかしこんな小さなエビに串を刺して油で揚げるという手間のかかることは日本ではしないだろう。でもScotlandで"Tempura"に出会えるとは思っても見なかった。
そしてメインはローストラムのミントソース添え。ラム独特の風味にミントソースがマッチしてとてもおいしい。
食後はLounge Barに移動して紅茶のサービスがある。当然ながら目の前にあるバーカウンターへ行ってモルトウィスキーをオーダーする。ここはBlair Atholしかないでしょう。
ひょっとしたら夏目漱石もこの部屋でBlair Atholを飲んだかも知れないなぁ。