Dewar'sのメインモルトを造るAberfeldy蒸留所は1896年にJohn Dewar's & Sons社によってモルト原酒確保の目的で建設された。しかし1917年から2年間は生産を休止している。
1925年にJohn Dewar's & Sons社がDCLに参加し、グループの蒸留所となる。
1972年に改装工事を行い、UD系の特徴であるガラス窓の大きいスティルハウスの中にポットスティルを増設して4基となった。しかし1998年に合併時の独占禁止法の関係からJohn Dewar's & Sons社がラム酒で有名なBacardi社に売却され、同社所有のCraigellachie蒸留所やBrackla蒸留所と共にBacardi社の所有となっている。
地理的要因もあり、観光客の受け入れに熱心な蒸留所はBacardi社所有を機に大規模なVisitor Centreが建設された。その設備と内容は蒸留所だけではなく、ブレンデッドウィスキー"Dewar's"や創業者にまで至る。そして館内を回る時、説明を聞くのに渡されるハンディターミナルは各国の言語に対応し、日本語も用意されている。
製品としてのシングルモルトはUD社の花と動物シリーズが発売されていたがBacardi社が所有してから12年のオフィシャルボトルが発売された。その味わいは南ハイランドらしい素晴らしいフレーバーを持つ。
River Tayのほとりの緑に囲まれた非常に美しいAberfeldy蒸留所。
19世紀末に建てられた蒸留所の特徴であるパゴダ屋根のモルトキルンが印象的。
現在はモルトバーンの建物と共にVisitor CentreやShopの一部として使用されている。
UD系蒸留所の特徴である大きなガラス窓のスティルハウス。60〜70年代の改装時に建設されている。
現在はGuest Roomと展示室になっているMalt BurnとKiln。
背後にあるウェアハウスは古い建物が残っている。酔いどれ天使たちの住居?
ウォッシュバッグは伝統的なオレゴン松製が6基。見たところ新しそうだった。最近改装したのかな。
ポットスティルは大型のものが4基ある。南ハイランドに多いストレートタイプだ。
Visitor Centre内の当時の執務室を再現した展示。Dewar家代々のコレクションも展示されている。
Robert Burnsが使用したという机。コレクションの一部だ。
多くのサンプルが並ぶテイスティングルーム(もちろん展示のみ)。中には戦前に閉鎖された蒸留所の名前も見ることが出来る。
蒸留所のディオラマ。家に飾るにはちょっと大きい。
創業当時の主たる輸送機関は鉄道だった。Aberfeldy蒸留所の前にはInverness-Perth Railwayに接続するAberfeldy-Ballinluig間の支線が走っていた。これを使用して材料の搬入およびウィスキーの出荷を行っていたのだろう。
Aberfeldy-Ballinluig間の路線は1965年に閉鎖された。使用されていた機関車は蒸留所に展示されている。
Dewar'sといえばまず思い浮かべるのがラベルに描かれたHighlanderの姿。蒸留所の庭には銅像がある。
Aberfeldy蒸留所は同地区のいくつかの蒸留所と同じく、ブレンデッドウィスキーのプレゼンテーションセンターとしての役割もある。