Bell'sのメインモルトを造るBlair Athol蒸留所は1798年に建設されたとされる。元々この地区はウィスキー造りが盛んで30近い蒸留所があったらしい。しかし19世紀は順調とはいえず、数回所有者が変わっている。
20世紀初期の暗黒の時代の後遺症からか1932年に閉鎖され、1933年にArthur Bell & Sons社が買収した。しかし戦争の影響から1949年にようやく操業を再開した。
1973年には拡張工事を行い、ポットスティルを増設している。1987年にはArthur Bell & Sons社がDCL社と合併し、UD社が発足した。
人気のある観光地であるPitlochryのすぐ近くという地理的条件もよく、多くの見学者が訪れる。シングルモルトだけではなく、Bell'sのプレゼンテーションセンターの役割を持つ蒸留所である。
1902年に夏目漱石はPitlochryに2週間程滞在しているが、宿泊していた地元有力者の屋敷(現在のDundarach Hotel)は蒸留所のすぐ近くにある。おそらく夏目漱石はBlair Atholのシングルモルトを多いに飲んだと私は思っている。
ツタの緑が美しいBlair Athol蒸留所。古い建物が多く残っている。
1UD系でBell'sのモルトなので近代的と思いきや、古い建物が多く残る伝統的な造りの蒸留所。
生産設備は1973年に改装されている。残念ながら内部撮影は出来なかった。
蒸留所内を流れる小川。地図には"Kinnaird Burn"とある。
この小川は"Allt Dour"とも呼ばれ、仕込水として使用されている。その意味は"Burn of the Otter"カワウソの小川となる。
Blair Athol蒸留所は鉄道と道路に囲まれた狭い敷地にある。
Visitor Centreの入り口。
こちらはShop。
花壇は"Bell's"の形。