Scotlandの有名なミネラルウォーター"Highland Spring"の取水地であるBlackfordにあるTullibardine蒸留所は1949年に建設されたどちらかといえば新しい蒸留所。それ以前はこの地にエール醸造所があった。このエールは12世紀頃から生産が始まり、1488年には当時の王、James4世の即位の際に献上されたといわれる。
1971年にInvergordon社によって買収され、1973年に拡張工事が行われている。この時に現在の規模になった。
1993年にWhyte & Mackayグループによって買収されたが1995年から操業は停止された。
2003年に地元の投資家グループが買収し、新たにTullibardine Ltdとして操業を再開させた。今までのスコットランドでの蒸留所経営とは違い、幹線道路に面しているという立地を生かし、広大な敷地の一部をスーパーマーケットチェーンに貸し出し、蒸留所ショップとカフェを併設して観光客の誘致を行った。見学ツアーも一般向けとウィスキーマニア向け(Connoisseur Tours)の2種類用意されている。
Connoisseur Toursは予約制で約2時間のコース。マンツーマンで案内してもらえる上に製品はもちろん、ウェアハウスで樽から直接テイスティングさせてもらえるというウィスキー好きならたまらない見学コース。これで10ポンドは絶対にお得。
再開後、レギュラー、限定品といろいろなオフィシャルボトルが発売されている。また、新事業としてウィスキーと同じ材料で作られたエール"1488"も発売されている。
Blackfordの南西部を占めるTullibardine蒸留所。町の反対側にHighland Springの工場がある。
この建物でほとんどの製造工程が行われる。
赤色が鮮やかなモルトミル。まだ新しそう。
マッシュタンの後ろにポットスティルが見える。
マッシュタンでは糖化の真っ最中。
ウォッシュバッグはステンレス製の近代的なもの。
ポットスティルは2ペア。
ウォッシュスティルはストレート型。
ウォッシュスティルNo2はボディの部分が若干丸みを帯びていて微妙に形が違う。
スピリットスティルはランタン型。
ウォッシュスティルと同じでスピリットスティルNo2はボディ部が少し厚く出来ている。
ウェアハウスに並ぶ銘酒
バーボン樽は主にJack Danielのものを使用するとのこと。天板がそのまま使用されている場合もある。
お楽しみのウェアハウスでの試飲。グラスにたっぷりと注いでくれる。正真正銘の無濾過タイプ。ウェアハウスで飲むモルトはまた格別だ。
色の薄い方はバーボン樽熟成タイプ。1993年蒸留でちょうど飲み頃。
色の濃い方はシェリー樽熟成の1966年。まさかこんなウィスキーが試飲できるとは思ってもみなかった。
広大な敷地だけど蒸留所設備の占める割合は少ない。
新しく作られたショップ、カフェ、ショッピングセンター。
ウィスキーエール"1488"。生産設備は蒸留所とは別の場所に確保しているとのこと。
本日のランチ"Tullibarger"。溶けたブルーチーズとハンバーグが絶妙な味わい。エールのお供にぴったり。