Scotchの中で一番スモーキーフレーバーが強いといわれるArdbeg。その歴史は18世紀に始まる。1794年には既にこの地でウィスキーを造っていたという記録がある(当然密造酒だが)。正式には1815年、John MacDougallにより創業された。本格的なウィスキー造りは1817年より始まった。当時としては非常に大規模な蒸留所だった。
1900年頃に改修工事が行われ、現在のモルトキルンが導入されたと思われる。
1977年にHiram Walker社によって買収され、創業以来のMacDougall一族の元での操業は終わった。この頃を境にフロアモルティングによる麦芽製造は行われていない。
1980年頃から操業が停止されていたが1989年にAllied Distillers社が買収し、操業を不定期ではあるが再開した。麦芽はPort Ellen Maltingsよりピートを強く焚き込んだものを購入していた。しかし1996年に再び操業を停止した。
1997年にGlenmorangie社が買収。1998年には古いモルトキルンを改造し、Visitor CentreとCafe & Restaurantがオープンした。2000年には一部設備が改装され、生産体制は強化されている。しかし依然としてフロアモルティング再開のニュースは飛び込んでこない・・・
創業時からあまり拡張されていないArdbeg蒸留所。
2連のキルンはVisitor CentreとCafeに改造されている。
19世紀末の歴史的な建物であるモルトキルン。設計はCharles Doigが行っている。
大型のモルトキルンの屋根は痛みが目立つ。もうフロアモルティングは行われないのだろうか。
ウィスキーの製造が行われている西側の建物群。
密造時代も含め、Scotlandで最古の蒸留所の1つだ。
マッシュタンはよく見かけるタイプのもの。1999年に改装されている。
6基のウォッシュバック。19世紀末のAlfred Barnardの著書によると8基あったという。
2基のポットスティル。創業当時と構成は変わっていない。
大型のウォッシュスティル。
少し細いスピリットスティル。古く見えるが2000年に入れ替えられたらしい。
Ardbegのスピリットスティルにはピュアリファイヤー(精留機)が取り付けられている。これが独特の風味を生むという。新しいスティルにも引き継がれていた。
ポットスティルの底部。
スピリットセーフは1基だけ。
古いウェアハウス。
庭に並べられた空き樽。なぜか"Caol Ila"の樽もあった。
古いスピリットスティルは入り口近くに飾られている。