Scotlandで最も西にあるBruichladdich蒸留所はちょうどLoch IndaalをはさんでBowmoreの町の対岸にある。創業は1881年でIslayでは2番目に新しい。創業者はその時代、既にGlasgowで蒸留所を持ってウィスキーの生産を行っていたHarvey一族のRobert, William, Johnの兄弟によって造られた。
1886年に改築され、Bruichladdich Distillery Co Ltd.としてHarvey一族により操業されていたが1929年の大恐慌の影響を受け、閉鎖に追い込まれた。
その後、1938年にJoseph Hobbsが2人のパートナーと蒸留所を購入し、まもなくAssociated Scottish Distillers社に移管された。操業は再開され、1941年に第二次大戦の影響による短い休止があったがウィスキー造りは続けられた。
1969年にInvergordon Distillers社によって買収され、1975年には設備が改装されてポットスティルは2基から4基に増設された。1993年にInvergordon Distillers社はWhyte & Mackay社によって吸収され、蒸留所は1995年に操業を停止する。
2000年に元Bowmore蒸留所のJim McEwan氏と瓶詰め業者であるMurray McDavid社が中心となったBruichladdich Distillery社により操業が再開された。設備は今までの物をメンテナンスして使用し続けている。2003年にはIslayで初めての瓶詰め施設が完成した。
伝統的なピート香の強くないモルトウィスキーをメインに、2002年からは古い蒸留所の名をつけられた、ピート香の強いモルトウィスキー2種類の生産が開始されている。Port Charlotte、Octmoreと名付けられたこれらのモルトはPort Charlotteの町に残っているLoch Indaal蒸留所(後のPort Charlotte、Rhinns)のウェアハウスで熟成されている。発売が楽しみなウィスキーだ。
Scotland最西端のBruichladdich蒸留所。
入り口に建つ古いポットスティル。いつ入れ替えられたものだろうか。
蒸留所の正門。建物の規模から見ると、創業当時とあまり変わってないのではないだろうか。
ウィスキーを生産する設備の入るメインの建物。創業当時はフロアモルティングを行っていた。
木製のウォッシュバック。Bruichladdichの設備はどれも古く、創業当時のものもあるらしい。
"Duncan MacGillivray's Washback" 現在の所長の名前だが、彼は1974年からBruichladdichで働いている。
ポットスティルは小型の2ペア構成。床は木製だ。
直線的なデザインのウォッシュスティル。
容量3,800gallonの表示がある。
少し細身のスピリットスティル。底部は丸みを帯びている。
容量は2,700gallonとウォッシュスティルより少ない。
スピリットセーフはそれぞれのペアのウォッシュスティルとスピリットスティルの間にある。操作する時って結構熱いのでは?
伝統的なスタイルのウェアハウス。いろいろな蒸留所のウィスキーが熟成されていた。
このLagavulinはおそらくMurray McDavidのボトルとして発売されるのだろう。
Cooperage(といっても小規模だけど)では新しい樽が制作されていた。
"Port Charlotte"用の樽も作られているようだ。
新しくできた瓶詰め施設。創業者の名を取って"The Harvey Bottling Hall"と名付けられた。
Glenfiddichと比べるとはるかに小さい。
ウィスキーのタンクも小型だ。
屋根にはビン型の煙突がある。でも飾りだけのようだ。
古いウェアハウスを改造したVisitor Centre & Shop。
一番目をひくのが中央に置かれた樽。ここから自分で瓶詰めをしたウィスキーが購入できる。
500mlで55ポンドとちょっと高いがやっぱり買ってしまう。1990年蒸留のシェリー樽熟成。
蒸留所の前には桟橋がある。19世紀末は毎週火曜日に蒸気船でGlasgowへ出荷されていた。
対岸(Bowmore)から見たBruichladdich。