"正露丸の臭い"のするモルトを生産するLaphroaig蒸留所はPort Ellenの町から東へ約3kmの美しい入り江のほとりに建っている。
1815年にAlex JohnstonとDonald Johnstonの兄弟によって創設された。その名は今も社名に残る。当時は非常に小規模な蒸留所で19世紀末に蒸留所を訪れた、Alfred Barnard氏の著書によると、Lagavulinの縮小版のような蒸留所であったらしい。これはDonaldの父、John JohnstonがLagavulinの創業者であったことが関係するのだろう。1923年に改装を行い、最新設備の導入されている。Pot Stillも2基から4基に増設された。
創業時以来、Johnston一族によって運営されてきた蒸留所は1967年、Long John Distillers Ltd.によって買収され、1970〜71年にかけて大規模な改築・拡張工事を行った。現在はAllied Domecq社の所有となっている。
また、1836年に隣接する東側の土地にArdenistielという蒸留所が建設された。当時のLaphroaig蒸留所と同じぐらいの生産量があったようだが操業は1866年に停止され、最終的にLaphroaig蒸留所に吸収された。現在はその土地にオフィスとウェアハウスが建っている。
美しいLoch Laphroaigの海岸にあるLaphroaig蒸留所。ロゴのあるウェアハウスあたりに別の蒸留所があったと思われる。
現役のモルトキルン。その両側の建物も19世紀末から使用されている。
美しい2つのパゴダ屋根はCharles Doig氏によるデザインと思われる。
煙を上げるモルトキルン。
海からロゴがよく見えるウェアハウス。Ardenistiel蒸留所があった敷地に建つ。
広大なモルティングフロア。これを攪拌するのは重労働だ。
モルトキルンの内部。床は小さな穴が無数に開いた鉄板。
モルトキルンの燃焼室。ここにピートをくべる。
下部で燃やしたピートの煙はパゴダ屋根から外へ抜ける。
燃焼室にはピートが積まれている。
マッシュタンはステンレス製。これはどこへ行っても一緒のような気がする。もしかして一社の独占?
ウォッシュバックはステンレス製。中ではウォッシュが順調に出来ていた。
7基のポットスティル。ウォッシュスティル3基、スピリットスティル4基の構成。
ストレートヘッド型のウォッシュスティル。
ランタンヘッド型のスピリットスティル。ネック部分は細め。
スピリットセーフは7基のスティルがどういう組み合わせなのかわからなかった。
新しい"生命の水"を待つ樽。
ピート置き場には大量のストックがあった。
モルトキルンへピートを運び込む台車。ボディ横には"Laphroaig Railway Company"の文字が。どうやら別会社らしい・・・。
おなじみのThe Price of Walesの紋章がオフィスの壁にあった。1994年にはHRH Prince Charlesが蒸留所を訪れている。いろいろと悪評のある皇太子だが、彼がワランティを発行するブランドはさすがと思わせるところばかりだ。私がLondonで買い物をする店のほとんどが彼のワランティを持っている。
道路沿いにあるFriend of Laphroaigの会員用の土地。入会すると30cm四方の土地をレンタルできる。場所は自分で探さないとだめ。事務所でブーツを借り、自国の国旗を立てる。