Port Ellenの町はずれにある蒸留所は1825年に創業された。何度かオーナーは代わったが創業を続け、19世紀末にはIslay南部の4蒸留所の中では最大の規模を誇っていた。
1925年にDCL(現在のUDV)に買収され、1925〜1966年までウィスキーの生産は停止されたがモルティングとウェアハウスは使用されていた。その後1年半の間、改築を行い、ウィスキーの生産を開始した。この時、新しい機械制御式の石炭焚きの4基のPot Stillが導入された。この設備は早くも1970年に蒸気過熱式に改装される。
1972年に大きな7基のドラムモルティング装置が導入され、1973年からモルティング部門は"Port Ellen Maltings"としてスタートする。同系列の蒸留所のみならず、島のすべての蒸留所やJuraへもMaltの供給を始める。そして1983年にウィスキー生産は停止された。現在もモルティングとウェアハウスのみ使用され、ウィスキー生産のライセンスは所有していない。
私が訪れた時は既に蒸留所の建物の取り壊しが始まっていたようで、行く前に見た写真とは大きく異なっていた。近いうちに必要ない建物は売却か取り壊されるのではないだろうか。
Port Ellenの町はずれの海岸に建つPort Ellen蒸留所。赤い屋根の大きなキルンは既に取り壊されたようだ。
既に蒸留所の建物の取り壊しが始まっている。もうこれだけしか残っていない。背後にはモルティングプラントの建物が見える。
残っている2連のキルン。形からするとDoigデザインだろうか。
状態が悪いのは明らかだ。取り壊しも近いかも・・・
道路に面した手前の建物は他社に売却されていた。
Oa方面への道路の両側にはウェアハウスが建っている。
海からはまだ"PORT ELLEN"の文字がはっきりと識別できる。
現在は主にLagavulinの熟成に使われているというウェアハウス。Port Ellenはどれほど残っているのだろうか。
空港、Bowmore方面への道路に面する"Port Ellen Maltings"への入り口。
大きなプラントは土曜日も稼働していた。