Western Highland

Glendarroch

Glendarroch蒸留所は1831年にHenry Hoey & Co の元、Glenfyne蒸留所として、Kintyre半島の付け根の町、Ardrishaigで創業された。 数十年の間、多くの手に渡った。Peter McNee（1852年以前）、William Hay & Co（1857〜1869年）、William Hay junior（1869年）、 Glendarrochと改名したWilliam Smyth（1870〜1878年）、Kemp & Co（1879〜1882年）、William Gillies（1884〜1887年）、 Glenfyneの名前に戻したScotch Whisky Distillers Ltd（1887〜1889年）、William Foulds & Co（1890〜1918年）、 そして最後にGlenfyne Distillery Co Ltd（1919〜1937年）。

平穏な時代、Scotlandで最も魅力的でよい場所にある蒸留所だったと思われる。Alfred Barnardは1885年7月末頃の訪問についてその著書の中で叙情的、表情豊かに語っている。
蒸留所はAchnagbreach Hillの下のCrinan運河から上ったところに建っていた。蒸留所は２つの泉を授かった。 水源となっているArd Burn、そしてとても美しい峡谷の下へ小滝となって落ちて、Loch Fyneへ注ぐ前に蒸留所の２つの水車を回すDarroch Burn。

Glendarroch蒸留所は、一つの共同体の中心だった。Glendarroch HouseとGlengilp Houseにはオーナーと所長がそれぞれ住んでいた。加えて２軒のよい家が保税官のために、 ８つのコテージが従業員のためにあった。そしてとても広大だった。大麦は運河用の荷船から降ろされ、穀物倉庫に直接上げられるようになっていた。 大きな大麦浸漬槽、大きなモルティングフロア、Steel社製のマッシュマシンとマッシュタン、５個のウォッシュバック、4700gallonのウォッシュスティルとそれぞれ1000gallonと500gallonの２基のスピリットスティルがあった。 全部で３基のウォームコイルは大きなウォームタブで、蒸留所の背後にある大きい貯水池からの水によって冷却された。

蒸留されたスピリッツは2000樽が保持できる４つのウェアハウスで保存された。そしてそれ以上のウィスキーはClydeにある会社のウェアハウスへ熟成のために輸送された。 １年の生産量は80,000gallonだった。ピートは地元で掘られ、最大500tが広大なピートシェッドにあった。

Glendarroch蒸留所は1937年に蒸留を停止した。けれどもウェアハウスはその後も長年使われていた。
なぜ蒸留所が1930年代後期の蒸留所ブームの中の1937年に閉鎖されたのかはくわしくはわからない。 しかしその背景を想像してみると、蒸留所が実際に割に合わなかった可能性がある。

近年、大きな蒸留所の貯水池を利用して魚の孵化場と建物になった。 他の使用していた建物は現在ほとんどが取り壊されている。

Nevis

Nevis蒸留所はその兄弟蒸留所であるBen Nevis蒸留所の生産量を増加させるために建てられた。鋭敏な手腕のDonald P.McDonaldの元でBen Nevis蒸留所は、 Donaldの父、'Long John' McDonaldが後に名付けた、Long John's Dew of Ben Nevisの伸びている需要のため、１週当たり200gallonから3000gallonになった。 両方の蒸留所ともNevis川のそばに建っていた。そして両方とも水源を英国最高峰の麓の評判のよい泉、Buchan's Wellとしていた。

蒸留所は広範囲にわたる消化設備を持っていた。そして２０頭もの馬と荷車で蒸留所とLoch Linnheにある桟橋との間を運搬した。 さらに、大きな蒸気機関と川から動力を得る近代的な水力タービンがあった。

驚くことにこの大きな蒸留所は存続することができなかった。偶然なのかまたは信じれられない先見の明のどちらかなのか、Donald P.McDonaldは1908年に生産中止にした。 そしてNevis蒸留所のウェアハウスを将来的に使用するために２つの蒸留所を合併させた。ブランド名の"Long John"は1920年代にSeager Evans Ltdに売却した。 しかし蒸留所はD.P.McDonald and Sonsの名のもとで1955年まで操業した。

その後、蒸留所はBen Nevis Distillery Ltdによって引き継がれ、Joseph Hobbsによって運営されていた。 しかし1970年のHobbsの死によって、蒸留所は閉鎖された。
そして200万ポンドでHobbs familyからLong John Internationalへ売却され、1985年に再開。 しかし再び1987年に閉鎖される。
それからニッカが買収し、1990年に再開、1992年にビジターセンタが追加された。

また、Fort William近くのJoseph Hobbsの邸宅、Inverlochy Castleは英国でも高級なホテルとレストランの１つとなっている。