Photo: Dufftown
Speyburn_Distillery: Glendullan_Distillery: Mortlach_Distillery: Parkmore_Distillery
冬の足音
今日は日曜日なのでホテルの朝も遅い。朝食も9時からということでのんびりした朝だ。こちらに来てからScotlandの夜明けはとても遅いと思っていた。8時頃にならないと完全に明るくならない。でもよく考えたらサマータイムだった。今日から通常の時間に戻る。
今日の朝食はプラムコンポート、シリアル、ベーコンエッグ、ソーセージ、ブラックプティング、そして焼きトマトとScottish Breakfastのフルコース。
日本ではトマトは生で食べるのが多いが焼いたものもなかなかいける。この焼いたトマトもいい評判はあまり聞かない。でも、トマトを熱で調理すること自体は悪くない。何かの本で、イギリスではトマトを焦げるぐらいまで焼くと書いてあったのを読んだことがある。焦げるまで焼いたらおいしくないに決まっている。よほどひどいところで食べたのだろう。それがすべてと考えるのはあまりにも早計だ。このホテルのものは軽く火が通ったくらいのレア状態でとてもおいしい。
そしてこちらのベーコンはとてもおいしい。やわらかくて脂が少なく、日本で食べているベーコンと全く別物だ。このベーコン、日本でも手に入らないものか。
昨夜の宿泊客は私一人だったようだ。日曜日ということでのんびりとしたムードが漂う。
朝食後、Speyburnに向かう。ホテルから看板のあるところまではそんなに遠くはなかった。その看板のすぐ横を流れるBroad Burnに沿って上っていく。しばらく歩くと谷間にパコダが現れた。看板からの距離のほうが長いかな?。
今日は操業していないのだろうか。ひっそりとしている。
Rothesのラウンドアバウトの近くにダークグレイン工場がある。Rothesの蒸留所はすべてここを利用しているらしい。ここでDraffやPot aleから家畜飼料を作っている。
ウィスキー蒸留所は元々農場と関係が強い。農場にとっては一番の顧客であり、またウィスキーを造るときにできるDraffやPot aleを地元のはそのまま家畜に与えるのは以前からやっていた。蒸留所で家畜を飼育しているところもあった。しかし保存や運搬に適していないため、余った分の処理に困り、河川に流していた時期もあった。生産量が多くなるにつれて非常に問題視された。
最近ではダークグレインに加工することでその問題は解決されている。蒸留所内にその施設を持っているところもある。
聖地、Dufftownへ
さて、そろそろDufftownに向かうとしよう。宿の主人にどうやって行ったらいいか尋ねると、今日は日曜なのでバスが運行されてないとのこと。別の方法を調べてみると言ってくれた。
私の持っている時刻表には日曜日は2本だけ運行されることになっていた。でもこれは2年前のやったっけ???。またタクシーかなと思っていると、Dufftownまで車で送ってくれるとのこと。何と親切な人達だろう。
DufftownへはCraigellachieを通って20分ほどのドライブとなった。運転はおそらくホテル経営者のお父さんだと思うが、途中、たどたどしい英語で今回の旅のことなどを話したが、こういうときに英語の重要さを感じる。
Convalmore、Balvenie、Glenfiddichの蒸留所の横を過ぎ、前方にClock Towerが見えてきた。とうとう来たぞ、Dufftown、Whisky Capitalへ。
泊まろうと思っているB&Bの前で降ろしてもらう。お父さんに御礼をいって別れる。本当に親切な人達だった。また、Rothesを訪れたいものだ。
さてとDufftown、まずは宿を決めよう。インターネットで探した、HPを開設しているB&B、Gowanbraeを尋ねる。ベルを鳴らしても誰も出てこない。どうやら留守のようだ。向かいの家の人が、この家の人は夕方にならないと帰ってこないと教えてくれた。日曜の宿泊はあまりないのかな。
どうしようかと考える必要もない、隣もB&Bだ。さっそく隣のB&B、Davaarを尋ねる。中から初老の主人が出てきた。部屋は空いているがまだ準備が出来てないとのこと。とりあえず部屋を見る。そんなに広くはないがきれいな部屋。バス、トイレは共同だが、バスルームは広い。1泊14ポンド(約2,600円)と安いのでここに決定。この値段で朝食付き。
部屋の準備が出来るまでラウンジルームで待っている。その間、ご主人といろいろと話をした(実際はこんなスムーズな会話にはなっていないが・・・)。
「君は学生か?」(それはよいしょのしすぎです)
「会社員です。休暇で来ました。」
「観光?」
「私は蒸留所を訪れて、写真を撮っています。」
「それはいい。でも今日はどこも閉まっているよ。」
「今日は外から撮ります。明日はGlenfiddichを見学します。」
「英語を読むのはできるか?」
「はい。」(って、話すよりはましな程度ですけど・・・)
と、いうわけでいろいろとウィスキーの本を見せていただいた。中でも"Moray Distilleries"という、創業当時の写真が載っている本はなかなか貴重な一冊だ。Alfred Barnardの本も見せてもらった。
Dufftownは7つのスティルから成る
部屋に荷物をおいて、蒸留所巡りを始める。日曜日はお店もほとんど閉まっていて閑散としている。唯一にぎやかなそうなのはパブだけ。
今日はとりあえず町の東側に行ってみよう。Clock Towerより東へFife Streetを下っていくとしばらくしてMortlachのパコダが見えた。Dullan Waterのほとりに建つDufftown最古の蒸留所は今も健在だ。Johnnie Workerの旗がなびいている。
Dullan WaterからRiver Fiddichに沿って、歩いていく。River Fiddichの水もPeat Colourだ。15分程歩いただろうか。川の対岸にGlendullanのスティルハウスが見えてきた。ガラス張りのスティルハウスには4基のポットスティルが見える。さらに歩くとパコダが見えてきた。Glendullanの古い建物群だ。
Glendullanから北に線路を越えたところに1931年に閉鎖された蒸留所、Parkmoreがある。ほとんどの建物は残っている。パコダも健在だ。閉鎖後、長い間ウェアハウスだけ使用されていた。Dufftownだから残っているのだろう。今も電気は来ているようだ。
線路に沿って西へ向かう。Balvenie CastleやGlenfiddichのある道に出てきた。このあたりの写真はまた明日にしよう。随分と日も暮れてきた。
帰り道、この旅の習慣になってきたAfternoon TeaならぬAfternoon Bitter。今日はGuinessを飲もう。Guinessは2種類あった。どうやら温度が違うみたいだ。
夕食は宿の隣のGlenfiddich Restaurantで取る。ハギスが食べたかったがStarterにしかなかったので、スープとスペイ川産サーモンステーキを注文。やはりここも量が多い。サーモンはちょっとだけ大き目、しかしチップスと茹で野菜(グリーンピース)が山盛り。サーモンはクリームソースが添えられていて、非常に美味。こちらへ来てから食事は全く外れがない。
さてと明日は丸一日、Dufftownを楽しもう。